オランダ留学記

トラブルが寄ってくる体質。2022年8月から2023年7月までオランダの大学に交換留学にきています。純ジャパ。

弾丸ブリュッセル旅行後編。ピエール・マルコリーニと移民問題。

グランプラスを後にして、次はブリュッセルのアイドルに会いに行きました。

 

小便小僧こと、ジュリアンくん。

世界3大がっかりスポットの一つということですが、がっかりというのは期待値の高さと実際との格差で生じるので、期待せずにいくと、言われるほどそんなでもないじゃん、となります。実際、周りの欧米人もジュリアン氏を見て喜んでおり、愛されているんだろうな、と伝わる彫像でした。ブリュッセルには街中にジュリアン君が溢れています。

 

そして、この旅のメインと言っても過言ではない、チョコレートショップ2軒に行きました。ピエール・マルコリーニ本店とヴィタメール本店です。

 

こちらは、ピエール・マルコリーニ

とてもハイセンスな外観。

ここのチョコレートやマカロンは、親のおこぼれとして貰うのが嬉しく、口に入れるとため息が出るほどの美味しさという小さい頃から大好きだったショコラティエ

日本と比較したら圧倒的に安価。とはいえ、いつかベルギーに行ったら山ほど買おうという夢が実現するのは、まだまだ先の模様。

いつ、どこで、英語だったのか、日本語だったのかも憶えておらず、記事を探せなかったのですが、ピエール・マルコリーニ氏はイタリア移民だったお母さんの下に生まれ、貧しい母子家庭で育った、というのを読んだことがあります。移民問題は非常に難しく、その国の福祉に大きな負担がかかったり、治安の悪化や宗教問題なども発生し、現在も移民に食傷気味のヨーロッパ諸国の記事をよく目にしますが、移民2世、3世がその国に素晴らしい貢献をもたらすことも多くあり、もしベルギーが高度人材のみを受け入れていたならば、今ベルギーが世界に誇るショコラティエピエール・マルコリーニは存在しなかったのか、と考えると感慨深いことです。こう言うと、移民からそういう人材が生まれる確率はワンオブミリオンだから、と言う人もいますが、ゼロでないということが大事なことで、そして変革を起こす人はいつだってワンオブミリオンなわけで、だからこそ国力としての人口を保ち母数を多く持つということは重要だと思います。短期的に国の利益となる高度人材のみを求めるという姿勢も理解できるけれど、長い目で見るとよくわからんな、というのをピエール・マルコリーニで思いました。

 

こちらはヴィタメール。髙島屋に行くと好きなチョコレートをカウンターで注文させてもらえるのが嬉しかった、という最も思い出深いお店。

フレンドリーな店員さんに、日本でもよく買ったんですよと伝えたら、日本にもあるの?!と驚かれました。調べたらベルギー以外には日本にしかないらしいです。

 

次は、ヴィタメールから歩いて数分のところにある、美しいステンドグラスで有名なノートルダム・デュ・サブロン教会、Église Notre-Dame du Sablonです。

 

16時を回っていたため、人も少なく、薄暗くなりかけた教会内には、ステンドグラスに夕日が差し込み、蝋燭の光がゆらめく静謐な時が流れていました。個人的にこの旅で一番好きな場所でした。

門は開け放たれていた

静謐な空間

ここに座ってバッハが聴きたい

空気の対流で、炎だけが揺れていた

圧巻の美しさのステンドグラス。金色の祭壇と緋色の絨毯とのコントラストも美しい。

ノートル・ダムこと聖母マリア

 


その後は、グランプラスまで戻るので、サンミッシェル大聖堂 Cathédrale des Saints Michel et Gudule にも足を伸ばしました。聖ミカエルと聖女ギュデュルはどちらもブリュッセル守護天使だそうです。日本では聖ミカエルの名だけでこの大聖堂を呼びますが、こちらのwikiによると、ブリュッセルの人は、この聖堂を聖女ギュデュル大聖堂と呼ぶことの方が多いそうです。

聖女ギュデュル。手には悪魔が消そうとし、天使が再び灯した燈を持つ。photo by 

https://www.cathedralisbruxellensis.be/en/cathedral-slideshow-kerkfotografie/

サンミッシェル教会は、王家の結婚式も行われた、格式の高い教会です。

荘厳なファサード

ステンドグラスも美しい

大聖堂の出口から。なぜか、この景色を見て、ああヨーロッパにいるんだな、と感じた。

 

この時点で17時を過ぎていたので、郊外にある別のショコラティエは諦めて、ワッフルといえばここ、というメゾン・ダンドワで糖分補給。

www.google.com

遅かったため、軽いブリュッセル風ワッフルは売り切れで、選択技はリエージュ風のみ。

ローストしたヘーゼルナッツがよいアクセント。大変おいしい。でもチョコレートソースは血糖値が振り切れる甘さ。最後は戦いになってきた。今度はブリュッセル風を試してみたいです。

帰り際、ベルギーのスーパーにて、ワッフル購入。普通に美味しかった。ワッフルはこれで十分かも。

どちらも5個で€2以下。多言語国家らしく、オランダ語、フランス語、ドイツ語の3カ国語表記。

19:15にブリュッセル北駅発のバスに乗り、22:00にロッテルダム中央駅に戻って来ました。22時を過ぎたロッテルダムは、もう閑散としていて、クリスマスイルミネーションだけが輝いていました。22:30に帰寮しました。

ある程度夜が遅くとも、人の気配があまりなくとも、安全の街ロッテルダム。クリスマスイルミネーションを目の端に見ながら、足早に帰ります。

6時間ほどの短い滞在でしたが、ブリュッセルの街中探索を十分楽しめました。彫刻や金細工などオランダに比べ繊細で美しい建物が多く、また食事も洗練され、質素倹約を是とするピューリタンの隣国とはやはり文化が違うなと実感しました。しかし、景観の美しさゆえに目についたのかもしれませんが、物乞いの人の数がロッテルダムアムステルダムよりも多く、貧富の差を随所に感じました。余談ですが、ブリュッセルでは久しぶりにフランス語を聞き、ブリュッセルオランダ語系のフラマン語地域の中にあるフランス語圏の飛び地である、と高校地理で習った通りだ、となんだか嬉しく思いました。百聞は一見に如かず、と言いますが、百聞してから一見すると、すごく納得します。

 

ベルギーは言語及び宗教の境界線であり、EU本部が置かれるヨーロッパの交差点です。来訪するときは、EU本部や美術館なども訪ねてみたいです。